さつまいもコラム
さつまいもの収穫方法|産地は機械で掘って、人の手で拾います
「さつまいもの収穫方法」で検索すると、出てくるのはほとんどが家庭菜園の掘り方です。スコップの入れ方、傷をつけないコツ、晴れた日に掘ること。
この記事は、少し違う角度から書きます。産地では、どう収穫しているのか。宮城県川崎町・佐々木さんの畑で、2026年9月の収穫をそのまま見てきました。掘るのは機械、拾うのは人の手。そして投げません。コンテナには3センチの高さから、そっと置きます。
なぜそこまでするのか。理由は「傷」にあります。写真と、公的な資料の両方で書いていきます。
結論
- 掘るのは機械、拾うのは人の手 … 掘り取り機が畝を起こし、あとは全部手で拾う
- 投げない。3センチの高さから置く … 皮に傷がつくと、そこから傷むから
- 掘ってすぐは出さない … 約2ヶ月寝かせてから。収穫時の糖は少ない、と千葉県の資料にもある
収穫の流れ——9月、佐々木さんの畑
畑は東京ドームの半分くらい(佐々木さんの表現です)。収穫は9月上旬に始まりました。その日の流れを、順に書きます。
前日に、つるを刈る
掘る前の日に、つるを刈ります。一般には「1週間前」と書かれることが多い作業ですが、佐々木さんは前日です。この話は長くなるので、つる返しとつる切りの記事に分けて書きました。
掘り取り機が、畝を起こす
トラクターの後ろに付けた掘り取り機が、畝をまるごと起こしていきます。刃が土の下に入り、土と一緒にさつまいもが持ち上がって、畝の上に転がり出てきます。

千葉県の栽培指針にも「収穫作業は一部を除いて専用の機械が利用されている」とあります。産地では、掘るところは機械が担うのが普通です。
拾うのは、人の手
機械が起こしたあとは、全部手です。畝の上に出たさつまいもを一本ずつ拾い、つるや土を軽く落として、コンテナに入れていきます。

「機械で掘るなら、集めるのも機械でいいのでは」と思われるかもしれません。私たちも最初はそう思いました。佐々木さんの答えは、次の章の話につながります。
コンテナには、3センチの高さから
拾ったさつまいもは、投げません。コンテナの3センチくらい上から、そっと置きます。佐々木さんが実際にそう言い、そうしていました。
収穫の動画を見ていると、置く動作がゆっくりで、はじめは「効率が悪いのでは」と感じます。ただ、その理由を聞いてからは、見え方が変わりました。
なぜ投げないのか——傷と、腐りの話
佐々木さんの言い方は、こうでした。「肌に傷がつくと、そこから傷む」。
傷は、腐りの入口
千葉県の栽培指針は、収穫の手順をこう書いています。
いもに傷を付けないように掘り取り、コンテナに詰める。
千葉県「サツマイモ栽培技術指針」(令和5年3月)
同じ資料には、運ぶときの注意もあります。
収納時のいもの向きが異なっていると隙間が多く、運搬時にいもが動いでしまうことで皮剥けや傷の発生が多くなる。
同
収穫のあと、さつまいもは高温多湿の場所に数日置いて傷口をふさぐ「キュアリング」という工程を経ることがあります(収穫時期の記事に書きました)。傷をふさぐ工程があるということは、逆に言えば、傷が腐りの入口になるということです。だから、最初から傷をつけない。投げない。3センチは、そのための高さです。
紅はるかは「腐敗が極めて少ない」品種でも
私たちが扱っている紅はるかは、もともと貯蔵に強い品種です。千葉県の指針には、こうあります。
貯蔵中の腐敗が極めて少なく、普通掘り栽培で一定期間貯蔵して、翌年8月頃まで市場出荷されている。
千葉県「サツマイモ栽培技術指針」(令和5年3月)「べにはるか」の項
それでも、投げない。品種の強さに頼らず、扱いのところで傷を減らす。私たちは、この順番が正しいと思っています。
傷がついた芋は、どうなるのか
ここは正直に書きます。掘るときに傷がついてしまった芋を、佐々木さんがどう分けているか、私たちはまだ聞けていません。次に畑へ行くときに聞いて、追記します。
こうして掘って、人の手で拾った紅はるかを、約2か月寝かせてお届けします。
いまはご予約受付中
約2か月寝かせた紅はるかを、11月上旬から順にお届けします

訳あり品(ご家庭用)
容量で選べる
2kg・5kg・10kg
ご注文・お届けは1月ごろまでの予定
(なくなり次第終了)

正規品
サイズで選べる
5kg(M・L・2L)
ご注文・お届けは11月末までの予定
(なくなり次第終了)
※L・2Lは「洗い」と「土つき」から選べます
(Mは土つきのみ)
収穫の日を、どう決めているか
9月に掘った日、佐々木さんは「明日は雨だから、今日掘る」と言っていました。
これも、資料と一致します。
土壌水分が多いといもに土壌が付着しやすく作業性が低下したり、いもが水分を含むことで皮剥けの発生や貯蔵性の低下の原因となるのでなるべく土壌が乾いている日に行う。
千葉県「サツマイモ栽培技術指針」(令和5年3月)
濡れた土で掘ると、芋に土が付き、皮がむけやすくなり、貯蔵性が落ちる。だから土が乾いているうちに掘る。「晴れた日に掘る」と多くのページが書いているのは、このことだと思います。

もう一つ、同じ資料に「試し掘り」の話があります。収穫の前に2〜3株だけ掘って、太り具合を確かめる。その場所は「畝の端から3m以上内側」で、端は太りやすいので避ける、とあります。佐々木さんが試し掘りをどこでしているかは、これも次に聞く予定です。
掘ったあとに、しないこと
収穫が終わると、次は「すぐ出荷」と思われそうですが、私たちはしません。
- 洗わない … 土を付けたまま。洗うと表面に水分が残り、そこから傷みます(保存方法の記事)
- すぐ出さない … 約2ヶ月、寝かせます。お届けは11月上旬からです
なぜ2ヶ月なのか。千葉県の資料に、収穫したての芋の中身が書かれています。
収穫時のデンプン含量は、新鮮重100g当たり25~30gであるが、甘味成分である糖含量は2g前後と少ない。
千葉県「サツマイモ栽培技術指針」(令和5年3月)
掘りたては、まだ甘くない。でん粉のままです。それが貯蔵の間に糖に変わっていく。同じ資料には、紅はるかについて「1か月以上貯蔵することで肉質は粘質化し、甘さが増す」ともあります。千葉県の産地には「べにはるか30日以上貯蔵ルール」という決まりまであるそうです。
私たちが2ヶ月置くのは、この線の延長です。ただ、私たちの畑での糖度の変化は、まだ測っていません。今年、測ります。

家庭菜園で掘る方へ——産地から持ち帰れる3つ
私たちは家庭菜園の経験がないので、掘り方そのものは書けません。ただ、産地のやり方から持ち帰れる考え方は、3つあると思っています。
- 傷をつけない … スコップは株から離して入れる、と多くのページが書いています。理由は産地と同じで、傷が腐りの入口だからです
- 投げない … かごに入れるとき、落とさない。3センチは目安ですが、「置く」意識だけで傷は減ります
- すぐ食べない … 掘りたては糖が少ない。洗わず、涼しい所で1ヶ月ほど置いてから。置き方は保存方法の記事に
よくある質問
Q. 機械で掘ると、芋が切れませんか?
刃は芋より深いところに入るので、正しく使えば切れるものは少ないようです。ただ、まったく無いわけではないと思います。傷や切れた芋をどう分けているかは、佐々木さんに聞いてから追記します。
Q. 3センチという高さに、根拠はありますか?
公的な資料に「3センチ」という数字は見つけていません。佐々木さんの感覚の数字です。資料にあるのは「傷を付けないように掘り取り、コンテナに詰める」までで、その具体的な高さが佐々木さんの場合は3センチ、ということだと受け取っています。
Q. 掘ったばかりの芋を、すぐ食べてはいけませんか?
食べられます。ただ、甘さは貯蔵で増すので、掘りたてはまだ本番ではない、と私たちは考えています。1ヶ月ほど置いてから食べると、違いが分かると思います。
まとめ
- 産地の収穫は、掘るのは機械、拾うのは人の手
- 投げない。3センチの高さから置く——傷は腐りの入口(千葉県の指針も「傷を付けないように」)
- 掘るのは土が乾いている日。「明日は雨だから今日掘る」
- 掘りたての糖は少ない。洗わず、2ヶ月寝かせてからお届けします
こうして拾った紅はるかは、11月上旬からお届けします。商品ページで予約を受け付けています。
出典
- 千葉県農林水産技術会議「サツマイモ栽培技術指針」(令和5年3月)
- 佐々木さんへの取材(2026年9月4日)と、収穫日の聞き取り
2026年9月時点で、原典にあたって確認した内容です。「3センチ」「前日につるを刈る」「明日は雨だから今日掘る」は佐々木さんの言葉と実際の作業にもとづきます。
こうして掘って、人の手で拾った紅はるかを、約2か月寝かせてお届けします。
いまはご予約受付中
約2か月寝かせた紅はるかを、11月上旬から順にお届けします

訳あり品(ご家庭用)
容量で選べる
2kg・5kg・10kg
ご注文・お届けは1月ごろまでの予定
(なくなり次第終了)

正規品
サイズで選べる
5kg(M・L・2L)
ご注文・お届けは11月末までの予定
(なくなり次第終了)
※L・2Lは「洗い」と「土つき」から選べます
(Mは土つきのみ)
蔵王が育てた、
蜜のごほうびを、
ご自宅へ。
蔵王の麓・宮城県川崎町で育てた熟成紅はるかを、
宮城から全国へお届けします。
今年の収穫分は、なくなり次第販売終了です。
「冬のご褒美」を、ぜひお早めにご予約ください。
ご家庭用にも、贈答用にもおすすめです。
Company
販売会社について
はじめまして。株式会社芦の口開発の小野瀬と申します。
宮城県仙台市太白区芦の口で地域コミュニティ事業としてさつまいもなどを販売する「芦の口小箱(あしばこ)」の運営と、不動産事業を営んでおります。
私たちは、宮城県川崎町の生産農家さんが大切に育てたさつまいもを、全国のお客様にお届けするため、この通販サイトを運営しています。
蔵王のふもとにある自然豊かな町で、ひとりの生産者がじっくり向き合って育てたさつまいも。鹿児島や茨城のような大産地ではないからこそ、ひとつひとつに目が届く。その良さを、もっと多くの方に知っていただきたい。そんな想いで販売のお手伝いをしています。